ダージリン・オータムナル
6月後半から9月にかけてモンスーンが大量の雨をもたらすと茶樹は元気に育ち、「モンスーンフラッシュ」と呼ばれる時期になります。この時期は茶樹の成長が早いことから、収穫量は多いものの香味が弱いお茶が作られます。
モンスーンが過ぎ去って雨量が少なくなってくると、その年最後となる秋のクオリティーシーズン「オータムナルフラッシュ」がやってきます。オータムナルの最盛期は10月から11月頃で、その後冷え込みが進むとともに収穫量が減り、茶樹は休眠期を迎えます。
オータムナルの時期には、セカンドフラッシュに比べると穏やかな味わいのお茶が多く作られますが、昼夜の気温差が激しいときなど、条件が揃ったときにはセカンドフラッシュに負けないほどの香り高いお茶が作られることもあります。
シーヨク FTGFOP1-AUTUMN DREAM, ダージリン オータムナル 2023
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マスカテルバレー FTGFOP1, ダージリン オータムナル 2023
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ダージリンの茶園
ダージリンの茶業は19世紀中頃にイギリス人によってはじめられ、のちにベンガル人をはじめとした資本家に受け継がれました。茶園のオーナー企業の多くはビジネスの中心地コルカタにあり、一つの会社がいくつかの茶園を所有しています。
個々の茶園の運営には、現在でも英国統治時代にはじめられたプランテーション方式がそのまま踏襲されています。茶園が一つの「村」のような存在で、働く人は茶園の敷地内に住居を構え、同じ茶園内に医療所や学校などの施設もあります。
プランテーション方式の茶園で作られる紅茶は、トップであるマネージャーの知識や経験、統率力などの力量によるところが大きく、マネージャーが変わるとその茶園の味が大きく変わることがあります。また近年はマネージャーの世代交代に伴い、アドバイザーとして経験豊富な元マネージャーなどが就任しているケースも多くみられます。このアドバイザーの存在も茶園の味を左右する大きな役割を担っています。
マネージャーをはじめとした茶園の管理者層には、ベンガルやビハール、UPなど、ダージリン以外のインド北部出身の農業を学んだ人たちが就任することが多いようです。
一方、茶園の労働者の多くはネパール系です。現地に行くと、茶園の管理者と労働者との顔立ちが違うのがわかります。19世紀中頃にイギリス人がこの地で茶業をはじめる際に、労働力として多くのネパール人を移住させました。現在でもダージリンでは日常的にネパール語が使われています。
こうした構造を背景に、ダージリンではゴルカランド州独立運動があり、茶園経営の問題の一つにもなっています。