
清水園製茶工場
狭山丘陵の北麓に位置し、狭山茶の主産地とされる埼玉県入間市。清水園製茶工場は江戸時代中期よりこの入間市で代々お茶の栽培・製造をしている老舗茶園のひとつです。
狭山は国内の大規模な茶産地として北限に位置していることから、寒さに強い品種が開発されたり、寒い土地ならではのお茶作りの工夫が長年続けられてきました。老舗茶園の17代目となる清水知弥さんは、この地ならではのお茶作りに強い思いを抱いています。
紅茶作りをはじめたのは2013年、知弥さんが茶業に携わってまもなくのこと。当初はフレーバーティーを作るなどの紆余曲折もあったそうですが、やはり行き着いたのはお茶そのもののおいしさでした。そして何年もの間、試行錯誤を重ねて気づいたのは萎凋の大切さ。2022年に萎凋揺青機を導入して以降、国産紅茶のコンテストで次々と高評価を受けるようになりました。2024年のプレミアムティーコンテストでは最高位の5つ星を獲得しています。
清水園製茶工場 『ゆめわかば』, 狭山 二番茶 2024
- ¥1,479
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看板品種「香駿」
この品種で紅茶を作る生産者はたくさんいますが、マルヒ製茶の香駿はひと味違います

香りを引き出す「揺青」
萎凋の際に茶葉に物理的な刺激を与える工程ですが、ここにも技術があります

葉汁が溢れ出る「揉捻」
他ではあまり見られない光景ですが、揉捻が終わる頃には全ての葉汁は茶葉に戻ります

香りを作り出す「焙煎」
たっぷりの熱量を加えることで新たな香りを作り出す「調理」のような工程です
日本の茶園
日本の茶園は、ほとんどが緑茶製造を中心とする茶農家です。多くの茶農家が代々根付いた土地で緑茶を作り続けてきましたが、近年は緑茶の市場価格の低迷に伴い、現役世代を中心に緑茶と並行して紅茶を作る生産者が増えてきました。
紅茶が作られる時期は緑茶のシーズンとほぼ同じ。品種や園地管理によって収穫時期のタイミングを調整しながら緑茶と紅茶を作っています。
日本の茶農家の多くは家族経営です。インドやスリランカなどのプランテーションとは違い、園地から工場の生産ラインまで少人数で回せるように設計されており、多くの工程で機械化が進んでいます。
茶摘みもそのひとつ。海外の紅茶産地の多くは手摘みですが、日本の茶農家は紅茶製造においても機械摘みが主流です。摘採機を効率よく使うため茶畑に整然と並んだ畝が見られるのも日本特有の風景で、機械摘みのための技術や茶園管理が進んでいるのも日本ならではの特徴です。一部には海外の手摘みよりも綺麗な芽で作っている生産者も見られます。
一方で茶摘みは機械でできても、紅茶の製造には必ずしも緑茶の製造ラインが使えないことから、あらゆる工程で手作業が必要であったり、生産者自身の感性による判断が求められたりします。このため国産紅茶の品質やキャラクターは、産地や季節などの環境によって作られる特徴よりも、作り手の紅茶に対する知識や技術、そして熱意や探究心によるところが大きいと言えます。